Windows版 2002年3月22日発売 定価2800円
入手方法:ヤフーオークション 実勢価格6000円前後
ループ物という意味では「時は可逆、歴史は不可逆」の概念で有名な「この世の果てで恋を唄う少女YU-NO」と似ている。
主人公はバッドエンドを迎えると強制的に最初からのスタートとなるが、おぼろげに過去の記憶が残っている。
またANOSというシステムにより、過去の選択肢に戻ってやり直すことが容易になっている。
逆にこのシステムがないと、普通のゲームのようにやたらとセーブ&ロードを繰り返す必要が生じる。
物語の前半は、記憶を取り戻しボスを倒すことが目的なのかとプレイヤーは錯覚してしまうが、実はそうではないことが後半徐々に明らかにされていく。
本作は一見SFアドベンチャーに見えて、恋愛要素が盛り込まれている。
文体はハードボイルド調で上手い。
プレイ時間は短め。
世界観は少し暗い。
主人公が記憶をなくしているため詳細不明だが、ヒロインが過去に主人公に乱暴されていたのではないかと思われる描写があったり、登場人物同士で確執があったと取れる描写が見られ、それが物語に深みを与えている。
(特にお姫様のセリフの「あの…泥棒猫!」は名言)
ラストは希望を持たせるエンディングもあった方がよかったと思う。
暗いビジュアルイメージの映画「ブレードランナー」で、デッカードがレプリカントと一緒に去るシーンに希望があったように。