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レスラー
2009年 09月 15日 *
映画「レスラー」について少し書こう。
鑑賞者にとってこの映画の価値は、主人公をどう見るかによって変わってくる。
有り体に言えばこの映画は「落ち目のプロレスラーが自分の生き方を変えられない物語」である。
しかし、それは一方的な見方に過ぎない。
この映画では影の部分と光の部分の対比を繰り返すことにより、そのどちらをも際立たせる構造になっている。

例えば主人公はプロレスという、今日ではかなりマイナーになってしまったジャンルの職業に関わっている。
大抵の子供は昔のプロレスゲームなんか「つまらない」と感じ、COD4に熱中している。
プロレスは今や決してゴールデンタイムに生放送されたり、多くの人々の注目を浴びることはなくなってしまった。
しかし、一部では根強いファンも依然として残っている。
地方公演では観客も集まるし、小さい子供がプロレス人形を持っているシーンからも一部の支持を受けていることが描写されている。
家族や恋人には嫌われたり、好かれたりする。(そういったシーンが両方登場する)

大抵の映画は結局は主人公の強さの証明だ。
悪党を倒していき最後のボスを何とか倒してQ.E.D(証明終了)みたいな。
またはストーリー中で、主人公が今までできなかったことができるようになる成長過程があったり。

「レスラー」の主人公は、人と解り合えなかったり、どうしたら食べていけるかとか、そういう問題に直面している。
そんな中で彼は何かを信じ、信じるもののために闘った。
by nochoice1 | 2009-09-15 00:02 *
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