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自由と幻想と失望
2009年 12月 20日 *
携帯電話やインターネットがまだ完全に普及し切っていない頃。
僕はタクシーに乗っていた。
車内で郊外の景色を眺めているとタクシードライバーが話しかけてきた。
僕はどんな仕事をしているのか、そこで何をしにいくかを答えた。
それを聞いてドライバーは切り出した。
「インターネットっていうの? 全然最近の話に疎くてわからなくてさ。中学生の娘がやりたいって言ってるんだ」
ほう、中学生の娘がいるのか。僕は答えた。
「それならまずパソコンが必要ですね。あとプロバイダーの契約…」
「へえ、プロバイダーっていうのが必要なんですか」
「……」

タクシードライバーの給料は決して高くない。
しかも東京から電車で2時間以上かかる田舎の駅前で、自分みたいな単発の客を待ち合わせているタクシーなら尚更だ。
しかしドライバーは子供を育てていて、決して安くない買い物をするかどうか悩んでいた。
これは7年くらい前の話。
以下は2009年12月17日読売新聞の記事。

小学生、無料携帯ゲームのトラブル急増
 「無料で遊べる」などとうたう携帯ゲームサイトで高額請求が相次いでいる問題で、国民生活センターは16日、今年4月からの8か月間の相談件数が全国で273件に上ったと発表した。
 同センターによると、今年4~11月で、オンラインゲームを巡り同センターや各地の消費生活センターなどに寄せられた相談は654件に上り、「無料」ゲームに関する相談は約4割を占めた。多くは「無料で遊べると思っていたのに高額な利用料を請求された」という相談で、請求されるまま9万円を支払ったケースもあった。
 年齢別で見ると、未成年者は約4割の110件で、小学生の51件が最も多かった。相談事例でも、「小学校低学年の娘に自分の携帯電話でゲームをさせていたら10万円の請求書が届いた。娘はゲーム上でアイテムを購入していたが、本当のお金がかかると知らなかった」(東京・30歳代女性)などと、小学生が現実とゲームの金の区別がつかないケースもあった。
携帯電話が世間一般に普及するということは、こういうことなんだろう。

電車に乗ると女子高生がおしゃべりをしていた。
話の内容は7年前とほぼ変わりない。
だが、変わった部分もある。
YouTubeの動画が見れなくなったとか、でもこのサイトで見られるよとか。
インターネットが世間一般に普及するということは、こういうことなんだろう。

本人の知らない間に自宅の写真が住所・地図付きで誰もが閲覧できる状態になっていたり。
現状では著作物の所有者すら、インターネットそのもの、あるいはGoogleにあると錯覚しそうになる。
しかし著作物の権利を有しているのは明らかにそのコンテンツを制作した人である。
また、それは購入した人のみが楽しむべきだ。
結局つけは自分たちが支払うことになるんだぜ。
by nochoice1 | 2009-12-20 00:29 *
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The Original by Sun&Moon