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トリックの位置づけ
2010年 01月 17日 *
自分は物事の意外性や非日常の出来事を求めているのではないだろうか。

これまでの自分の行動を分析すると、

マイナーな音楽を聴く→実はいい曲を見つけた!
同人ゲームをプレイする→同人作品なのに面白いよ!

そういった意外な体験を喜ぶ傾向にある。
それは、例えば女の子が「あの人とあの人が実は付き合ってるらしいよ」とか、不倫してるらしいとか、そういうネタを嗜好する気持ちと似ているかもしれない。
じゃあ自分にとってEver17は最高の作品になりそうなものだが、最後で筋道が通ったという印象しか残らなかった。
では、Ever17に似ていると言われる「書淫、或いは失われた夢の物語。」はどうだろう。
この作品は現在のところ入手困難なので何とも言えないが、オチをネットで検索すると病院で云々…というものらしい。
そして、そのオチは漫画「かってに改蔵」に似ていると指摘する声もある。
病院云々のオチについては実は自分も似たようなことを考えてブログに掲載したことがあった。
素人が思いつくくらいだから驚くには至らないアイディアだと思うが、
ただ物語の世界を構築し結末まで読ませるのは大変力の要る作業なのだろう。

人にページを自発的にめくらせるのがいい作品と考えた場合、物語に謎やミステリーを含ませるのが一つの方法である。
ただ謎解きの整合性というより、自分としては登場人物に秘められた思いに重点を置きたい。
例えば物語で殺人事件が起きたとして、その殺人トリックより、登場人物がなぜ殺人をするに至ったかが描かれているかどうかが重要である。
leaf初期の作品である「痕」についても、エンディングを迎えた後に「登場人物に隠された謎をどうか解き明かして下さい。」
みたいな台詞をプレイヤーに向かって言うシーンが挿入されている。
そんな事言われたらこっちはプレイを続行するしかない訳で(笑)。

ネタバレ厳禁な作品は何があるだろう。
映画だとシックス・センスとかユージュアル・サスペクツあたりが該当するだろうか。
でもオチを知ってしまったら観る価値がない作品より、オチが分かってても過程を楽しめる作品の方が好きだ。
要するに、物語の謎解きは言いたいことを言うための一つの道具として位置づけられている方がいい。

例えばひぐらしを例に挙げると、冒頭で主人公が電車の中で必死で謝ってる人を見て、
「やり直せないことなんてない。取り返せないミスなんてないはずだ」
と自分の考えをつぶやくシーンがある。読者にとっては最初読んだ時は意味がわからない独白なのだが、
物語を読み進めていくと、転校して田舎町で生活する主人公が、実は前の都会の学校でどうやら過ちを犯してしまい、家族ともども引っ越してきた事実が判明する。
この設定は自分も面白いと感じた。
ただこの話は登場人物が殺人を犯したりするが、殺人者の友達に対してフォローするシナリオが一つもないのが残念だった。
冒頭のシーンからすると、罪を償うシーンがあってもいいのに、最終的には全て未知のウィルスのせいにして、友達の罪の清算についてはうやむやになって終わってしまう所はご都合主義と言われても仕方ない、というか勿体ないと。
でも一つの物語にいろいろ詰め込みすぎるのも崩壊する危険があるのでこれでよかったのかもしれない。
総合的には普通のミステリー作品よりは楽しめた。
それはトリックだけでない、訴える部分が随所にあったからだと思う。
by nochoice1 | 2010-01-17 20:51 *
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