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空想と記憶
2010年 03月 18日 *
活躍の反意語とはなんだろうか。
なぜそんなことを考えているのかというと、この年になるとやはり同世代の人は社会で活躍している人たちばかりだからだ。
それに引き換え自分は全く活躍していない。
そもそも活動していない。
周りの人は年を重ねるごとに活躍の場を広げていく。
逆に、僕はどんどん狭い世界に閉じこもっていく。
いろいろと諦めがついてしまい、新しいことに挑戦しない。
しかし、何もしなくても生きていくことは可能だ。
(子供からすると意外なことかもしれないが。)

そんな人間に価値があるのかといった問題はこの際置いておくとして、以前よりできるようになったことが一つだけある。
それは過去の記憶を辿ることだ。
時間が経つにつれ、年齢を重ねるにつれ記憶は薄れていくものと考えがちだが、実際は違っていた。
何もせずにいると、過去に起こったことばかり考えるようになる。
その結果、記憶の辿り方が洗練されていき、より昔の記憶を呼び出すことができるようになる。
そう考えると人間の脳もあなどれない。
理屈からいえば、遠い過去となってしまった何でもない1日であったとしても思い出すことが可能なのだ。

想像上の1枚の画用紙に黒いペンで絵を描いていた。
それが終わると、今度は色つきのペンで黒く縁取られた部分を塗りつぶそうと思った。
でも黒い線をはみ出ないように色を塗るのは神経を使う作業だ。
うっかり油断するとはみ出そうになってしまう。
僕は気分を集中させて丹念に少しずつ色を塗っていく。
そんなことを想像しているうちに僕はあることを思い出した。
そういえば5歳の頃、幼稚園に通っていて、そこで同じことをしていた。

現実の退屈さから抜け出したくて空想に耽っていたつもりが、実際はある程度、現実の記憶に縛られている。
現実だろうと想像だろうと、僕は新しいものを何一つ生み出してはいない。
by nochoice1 | 2010-03-18 04:11 *
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