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映画「バッド・ルーテナント」
2011年 03月 23日 *
これはかなり辛口な…映画館でみた方がより雰囲気を感じ取れたかもしれない。

人の悪の部分を扱うような映画は、アメリカにはよくあると思う。
正義と悪という図式では語れないようなやつ。
野島伸司の脚本に出てくるような単純な悪人は登場しない。
主人公には悪い所もあるけど、良い所もあって、そこに人情味を感じるというか。
ダークヒーローといった方が適切かもしれない。

監督が言うように、これはドラッグ社会の弊害を表現した映画ではない。
人にとっての「救い」の必要性を訴えてくる映画だ。
その救いは、人によって、金だったり愛だったりドラッグだったりするのだろう。

主人公は冒頭シーンで人を救い、そのおかげで生涯腰痛を負うが、それについて他人を恨むような描写は最後までない。
ただ主人公に悪の面があって、他の人にもあって、それで世の中が回っているシーンが淡々と描かれる。
悪人は地獄に堕ちる訳でもなく、かといって特別いい思いをする訳でもなく、なぜか冒頭の解決困難だった殺人事件は主人公が解決へ導く。
それをあまりやり過ぎると意味不明で終わってしまうが、奇妙さ加減のバランスに優れた映画だった。
色々考えさせられるような、妙な後味が残る。

話は変わるが、僕が始めて社会人になった時、ビジネスマナーなどの研修を沢山受けた。
でも仕事は現場でやるものだと思って、机上の研修なんてやる気になれなかったし、配属されてもその気持ちは変わらなかった。
実際、ビジネスマナーを完璧にこなせる人間が評価されて上の役職に就いている訳でもなかった。
そこには、簡単な儲け話にはウラがあるので乗ってはいけませんとか、道徳的な話や、人としてどうあるべきかが書かれてあった。
最初読んだ時、一流企業はこんなことまで教育するのか、と思っただけだった。
ただ何年か経過して、無性にその本が読みたくなる時がある。
その本は部屋をいくら探しても見つからなくて、もしかすると捨ててしまったかもしれない。
だけど無性に読みたくなり、定期的に部屋の中を探している。
by nochoice1 | 2011-03-23 01:32 *
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