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ドラクエにおける作戦の遂行について
2013年 04月 18日 *
年を重ねるにつれ、ドラクエにはこの世の物語の全ての要素が詰まっていると考えるようになった。
まあそれはおいおい語っていくとして、今日は想像の話をしたい。

ドラクエ4になり、戦闘にAIシステムが導入された。
行動の基本指針は「みんながんばれ」「いのちだいじに」などの作戦で決められているが、仲間のキャラは作戦に沿った行動をプレイヤーの指示なしで行うことができる。
このAIシステムが良いか悪いかは別として、説明書にも画期的なシステムであるとアピールされていた。

ドラクエ2,3と続編が出るにつれ、仲間の数は増えていった。
しかし我々はある点に気づかなければならない。
仲間のキャラクターのコマンドを当たり前のように入力しているけれども、本当は物語の主人公は、プレイヤーである一人だけなのだ。
だから、自分以外の他者である仲間のコマンドを入力する行為は、ゲームとして矛盾している。
そういう観点から考えると、ドラクエにAIシステムが導入されるのは当然の流れである。

しかし実際にAIのみの戦闘となると、仲間がザラキを連発したりと不可解な場面が多く、あまり好評とは言えるものではなかった。
結果として4以降の作品にAIシステムは残されたが、「めいれいさせろ」という作戦が追加されたことにより、仲間のキャラをプレイヤーが操作するシステムが復活することになった。

ただここで一つの疑問が発生する。
仲間のキャラクターは、具体的に主人公からどのように指示を受けているのだろう。
主人公の指示を受けた仲間は、100%言われた通りの行動を取るのだろうか。
仲間は機械ではなく、人間である。
気分的に従いたくない日もあるだろうし、「こうした方がもっといいのに」という考えから、別の行動を取ってしまう可能性もゼロとは言えない。
そして最大の懸念と思われるのが、例えばメガンテやメガザルのような自己犠牲呪文を主人公から命令された場合、仲間は本当に主人公の命令に従うのかといった問題である。
仲間にとってしてみれば、それは主人公から「死ね」と言われているのと同義である。

以上のことを踏まえると、主人公は何らかの方法によって仲間を操っていると考えるのが妥当である。
勇者なのだから、普通の人間にはあり得ない、特別な能力が備わっていてもおかしくはない。
その能力が人を操る能力だったとしても、何ら不思議はない訳である。

ここで主人公がパーティの一人に対し、メガンテを命令したとしよう。
すると命じられた仲間は、不思議な力によって、従うしかない状況に置かれる。
それはまるで映画「ハートロッカー」に出てくる爆弾を巻きつけられた人のように、死の運命から逃れることはできない。
やがて10秒、9秒、とカウントダウンが始まる。
永遠とも言える時間の中で、仲間はどんな気持ちで死を迎えるのだろうか。
その様子を想像すると、何とも言えない気持ちになる。
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The Original by Sun&Moon