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GPSの相対論補正
2013年 09月 21日 *
相対論の正しさの説明によくGPSが用いられる。
その説明のくだりの中で、「相対論がなければGPSは使い物にならなくなる」というのがある。
しかしこの説明は、反相対論者に対し、反論の機会を与える格好の餌となっている気がする。

相対論の説明に出てくるGPSの説明は確かにおかしい。
相対論補正を行わないと、GPS衛星と地上の時刻のズレが蓄積されていき、最終的に地上の自動車の位置が大幅に狂ってしまうらしい。
しかし、GPS衛星の時刻とカーナビの時刻は常に同期をとっているので、ズレが蓄積するようなことはないはずだ。
更に言うと、GPS衛星は地上の正確な時計と時間を合わせる必要もない。
正確に時を刻んでくれればそれでいい。
そもそも、ウィキペディアのGPSの項を参照すればわかることだが、GPS衛星にはGPS時刻が用いられている。
このGPS時刻は閏秒調整は行われていないため、地上で用いられているUTC時刻とは最初から異なっている。

繰り返しになるが、GPS衛星は正確に時を刻む必要はあるが、時刻が正確である必要はない。
日付が2000年1月1日だっていいし、1900年1月1日だっていい。
距離を測定するのに、日付・時刻は問題とはならないからだ。

たとえば東京駅から新宿駅までの距離を測定するとしよう。
あなたは中央線で移動してかかった時間を測る。
そして測った時間に電車の平均速度をかければ距離が求められる。
数式で書くとこうなる。

時間 × 速度 = 距離

別に人を馬鹿にするつもりはない。
だが、カーナビが使い物にならなくなるといった主張は、この単純な数式すら無視して話を進めているような気がしてならない。
かかった時間を測定するのに時計は必要ない。
ストップウォッチがあれば十分である。
もちろん時計を使っても測定できるが、その時刻がUTCと一致している必要はない。
昼の12時を示していようが夜の9時を示しているようがどうだっていい。
東京から出発する時刻と新宿に着いた時刻の差分が求まればいいので、UTCと一致しているかどうかは問題にならない。

そんなことより、カーナビに搭載されている時計が水晶時計であることの方が測定距離に影響を与えると思われる。
ご存知の通り、原子時計でない普通の時計は、1ヶ月もすればUTCと比べて目でわかるレベルでズレてしまう。
GPS衛星が水晶時計と通信する間にも水晶時計はズレるので、その方が位置の特定に影響を与えてしまうのではないだろうか。
それでも衛星を4つ5つと拾えればズレを補正できる。
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by nochoice1 | 2013-09-21 04:13 | Comments(2) *
Commented by 通りすがり at 2014-05-16 17:27 x
GPS衛星というのはそれぞれ異なった軌道を飛んでいます。
つまり、相対論的補正は衛星毎にそれぞれ異なる補正をかけなければならないのです。
よって、この補正がなくてはそれぞれの衛星の時刻を正しく比較することができないのです。
Commented by nochoice1 at 2014-05-19 21:06
補正をかけた方が精度が向上するのはわかりますが、GPSとUTCの同期は測位の必要条件ではないですよね。
必要なのは上空に打ち上げられた数々のGPS時計とカーナビ時計の同期、それから時計が正確に時を刻んでいることです。
カーナビが地上のUTCと同期しているのなら、GPS衛星との時間のズレが蓄積していくという説明も納得できますが、カーナビはGPSからの信号を受信しているので、わざわざそんなことはしていないと思います。
4つ以上のGPS衛星からのデータを受信することで、カーナビは自分の時刻のズレを刻々と修正していると考えた方が自然です。

またいわゆる相対論的補正をしなかった場合も測位に致命的な影響が出るとは思えませんが、最後の方の文章は確かに少し変なのでこれから削除します。
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