必ずしも家にサーバーを建てる必要はなく、レンタルVPSサーバーにBitcasaのドライブをマウントすれば、1TB程度の音楽ファイルを外部から読み取ることができる。
またその際、AndroidのESファイルエクスプローラーを使えば、VPNやFTP経由でストリーミング再生が可能である。
この時の料金はVPSサーバーで月額1000円、Bitcasaで月額1000円、その他プロバイダ費用が発生する。
VPSサーバーには予めHDDが100BG程度用意されているので、音楽ファイルの容量が足りるのであればBitcasaは必ずしも必要ない。
月額1000円という金額に関しては、家にサーバーを置いた時の電気代やHDDの購入費用を考えれば安いと思う。
通信方式をFTPにするかVPNにするかについては、人それぞれの考え方や利用スタイルによって異なる。
例えばPacketiX VPNでVPN通信を行った場合、どの程度通信負荷が発生するのかをNetLimiter3というソフトを使って確認してみた。
特に帯域制限を設けなかった場合、速度は以下のようになった。
DL速度で約1.2M/sは遅いのではないかと思われるかもしれないが、通常は5M/s程度の速度が出る環境で計測している。
おそらくNetLimiter3をインストールした事で、本来のパフォーマンスが発揮できていないだけと思われるので、その点はあまり気にしないで欲しい。
この図ではDL速度に対し、UL速度が1/20程度必要になることがわかる。
VPNセッションを利用しない場合、UL速度は計測されない。
これに対し、VPN通信ではDLの1/20のUL帯域を常に使用している。
試しにUL速度に20k/sの帯域制限をかけてみたところ、DL速度は400k/s程度まで低下した。
これにより、PacketiX VPNの通信速度は、DL速度に対し1/20程度のUL速度が必要なことがわかる。
例えばADSLやWIMAXのように、DL速度に対しUL速度が極端に低い回線ではDL速度が低下する可能性がある。
とはいえ、ADSLやWIMAXにしても、DL速度に対してUL速度が1/20以下になるのはレアケースだと思われるので、大した影響は出ないだろう。
また、Packetix VPNとFileZilla FTP Clientの速度差から、VPNを利用した場合と利用しなかった場合の速度差は約9%程度であることがわかる。
VPN通信において、DL速度はUL速度に比べて約1.8倍程度の帯域を使用していることになるが、これは暗号方式の違いによるものだと思われる。
(もちろん、データ本体についても暗号化はされているが、共通鍵を使用している為、データ量としてはほとんど変わらないのだろう。)
以上まとめると、VPNセッションを張ったとしても、DL速度への影響はあまりない事がわかる。
ただし電車等での移動中はVPNセッションが切れやすくなるので、安定性を求めるならわざわざ暗号化する必要はなく、普通にFTPで構わないと思う。
またプロバイダによってはVPN通信がP2Pと同じと見なされ規制されている場合がある。
この場合もVPNは使い物にならないので、FTPかSFTPを使うしかない。