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絶対的な音
2016年 12月 11日 *
休日、行きたい場所に行って食べたいものを食べる。
それが万民に共通する「普通」のイメージかもしれない。
だけど自分にはそれをする気力というものが一切湧かない。
気分的にそうだし、理屈で考えても「それで一体何が変わるのか」という問いに対し、答を見出せない。
控えめに言って自分には生き続けるだけの正当な理由もないもないし、価値もない。
行きたいところに行って食べたいものを食べて何になるというのか。
他の生命を犠牲にしてまで生き続ける必要があるのか。

この考えはいつでも割と万能に機能し、自分の「何もしない」という行為を正当化し続けてきた。

音を聞く行為は、自分のような人間には必要ない。
自分がそれにより一時的に快感を得たところで、一体何になるというのだ。
先の考えからすると、その理屈は成立する。

だけど理屈ではない何かに出会ってしまった。
もう何年も前のことになる。
あの頃僕は確かにそれを感じた。
この世にこんな音が存在していたなんて。

考えてみればあの出来事は自分に例外を作った。
その音だけは違った。
絶対的な何かだった。

よくヘッドフォンアンプのレビューを見ると、音質が向上したと書かれている。
それはそうだ。
出力レベルが変わり音質が変わったのだから。
それは今までのそれとは全く異なった音として認識される。
ただしそれが音質「向上」と呼べるのかどうかは別の話になる。

ヘッドフォンアンプに繋げば音質が向上するという話が常に成立する訳ではない。
そのヘッドフォンに出力レベルが合っているかどうかが重要なのだ。
市場で販売されている一般的な30~40Ω前後のエントリーモデルはおそらくヘッドフォンアンプでの使用を想定していない。
仮にヘッドフォンアンプに接続するとその出力の高さから特性が変わり、音質が変化する。
その変化をソフトウェアイコライザやヘッドフォンの外装の改造によってマシなものにしても、ヘッドフォンに見合った出力端子に接続した時の音質には到底及ばない。
どう取り繕ったところで、絶対的な音には追いつけない。

自分を変えるきっかけを与えたのはDENON AH-D501で、それをTC Electronic Impact Twinに接続して聞いている。
決して高価な機材ではないけど。
ヘッドフォンアンプを使うと特性が変わってしまうから使用する必要はないし、お金をかければいい音になる訳でもない。

一体何の要素が絶対的なものに押し上げているのか。
よくわからない。
とにかくある出力レベル下においての入力に対し、コンピュータか何かの処理によって最適化が施されている。
でもそれだけなら他のヘッドフォンだって同じはずなのに。
一体何が違うのだろう。

残念なのは2つとも生産が停止していることだ。
もし壊れたらどうしようという不安が常につきまとう。
by nochoice1 | 2016-12-11 22:54 *
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