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無限について
2005年 06月 20日 *
アキレスの言っている事を永遠に繰り返し得るとしたら、確かにアキレスは亀に永遠に追いつく事は出来ません。
しかし、そんな事を永遠に繰り返す事が可能なのでしょうか。
例えば1分間という有限な時間を無限に細分化する事が出来たとしたら、アキレスの主張する事は実際に起こり得たでしょうが、現実に1分間という時間は1分後に過去へと過ぎ去っていきます。
無限というのはあくまで概念であって、現実には存在し得ないのです。

但し、数学の世界では無限を扱う事があります。
無限は数字ではないので計算出来ませんが、∞という記号で表します。

例えば、
1/2+1/4+1/8+1/16+…
のように、1/2の二乗した数を永遠に足していったとします。
もちろん無限に数を加えていくなんて事は、現実に不可能なのですが、もしそれが可能だったとしたら、答はいくつになるでしょう。
答は1になります。
等比数列の和の公式(数学の教科書に載ってます)より、n番目までの和は、1-(1/2)^nで表す事が出来、(1/2)^nはn→∞とするとゼロになるので、1-(1/2)^nは1になります。
(「^」は階乗を表す記号で、例えば、2の2乗は2^2=4と表す事が出来ます。)

ついでに次の例です。
0.999999999…のように、もし9が無限に続く数があったとしたら、それは1になります。
0.999999999…をxとすると、

10x=9.999999999…
x=0.999999999…

上の式から下の式を引き算し、
9x=9
x=1

よって、
1=0.999999999…
が成立します。

しかしくどいかもしれませんが、現実には無限は存在しません。
もし存在したらおかしな事になってしまいます。
例えば、A地点からB地点まで1個のボールを運ぶのに、1/2分かかるとします。
2個目のボールを運ぶのは、前回にボールを運ぶのに費やした時間の半分で済むとすると1/4分かかります。
同様にしてボールを運んでいくと、1分後には無限個のボールを運べてしまう事になるのですが、現実には無限個のボールは存在しません。


以上の事から、アキレスの主張するような、無限に時間を細分化する事は現実には不可能です。
またそれが仮に出来たとしても、例えば、1/2+1/4+1/8+1/16+…=1のようにある値に収束する事があり、その答がアキレスが亀に追いつく時間となるのです。
by nochoice1 | 2005-06-20 02:06 *
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