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車輪の国、向日葵の少女
2008年 02月 11日 *
スーパーファミコンが家に来た時、セットで最初に買って貰ったのは「スーパーマリオワールド」だ。
ワールドというだけあってマリオの活躍する舞台に世界観があって、その世界を垣間見た僕は子供心にもすごいと感じた。

小学生の僕だったら、『車輪の国、向日葵の少女』は到底理解できないまま忘れてしまう所だけど、1年程前にプレイして世界観が印象に残った。
なんで今話題にするかって事に特に理由はないけど。
プレイしてから時間が経ってるし、しかも1周しかしてないから勘違いな所はご容赦下さい。



実際話の中に向日葵の少女は出てくるけど、向日葵には弁護士記章の正義と自由の意味もある。
法を扱ってるだけに文体が論理的というか、他のゲームに比べるとはっきり言ってレベルが違う。
丁寧というか、それでいて計算された作りにもなっている。
そして元々知識があったから書けたのか、書くにあたって調べたのか分からないけど、作者は車輪の下はもちろん、プラトンや哲学書に類する本などを読んでいて、物語の中にも国家論みたいな話が出てくる。
あと小説のような伏線の張り方。
だから読んでいて飽きない。
所々「えっ」と思う箇所はあるけど、全体としては丁寧に書かれていると言える。

章ごとに女の子が登場するんだけど、2章はある事をきっかけとしてがんばる事を止めてしまった人がメインのお話。
女の子は短絡的に楽な道を進む傾向があり、主人公は彼女を更正させる事を課せられるのだが、これはプレイヤー含め、今を生きる若者に向けたメッセージという機能も果たしている。
少女が「今日はもう疲れたから休ませて」と言った後で主人公が休ませるかどうか選択するシーンがあり、休ませるとHシーンに突入するのだがBAD ENDで、少女を叱るとHシーン無しだが正規ルートに進む仕様になっている。
人が人に求めるのは結局のところ勝利(結果)であってがんばる事ではないけれど、2章では日常忘れられがちな地味な努力にスポットを当てている。
脇役が良かった。

3章は前半部分が冗長だったけど後半は良かった。

この物語に登場する女の子は心のどこかに傷のようなものを抱えているんだけど、4章に登場する女の子は見るからにそんな感じで、見ていて切ない。
心を閉ざした人間の描写は上手いけど、欲を言えば、独白(モノローグ)のシーンはもう少し突っ込んだ内容を書いてほしかった。そうでないとあの部分は成り立たないと思う。

5章は姉をあんなに簡単に登場させたたのは少し残念。
主人公に「ぶっ殺すぞ」という幻聴が聞こえる謎が一応解かれるんだけど、読み手に話かけるような文体に対して解答しなくても良かったと思う。
確かに文章的として読み手に語りかけるのは型破りとされているけど、あれはあれで有りだったと思う。
5章はやはり全体的にもう少し時間をかけて欲しかった。

あと少し気になった点。
・父が革命に失敗し、主人公もこの世界は糞だみたいな事を言っていたのに、具体的な行動を起こしていない。
・学校の改築で読み手の恐怖心をかきたてておいて、特に恐い部分がなかった。(2周目でくるの?)
・2点目に関連するけど、ゲーム起動時に「残虐シーンが含まれています。犯罪行為ですので決して真似しないで下さい…」みたいな事が書いてあるのに、そういうシーンは無かった。(別ルートだと部屋に閉じ込られめたシーンでそういうのがあるの?)

と文句ばかり書いてしまったけど、捨てられる章は一つも無く、いい作品だと思う。
1周目の感想でした。
by nochoice1 | 2008-02-11 04:20 *
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The Original by Sun&Moon