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2010年 04月 29日 *
ここに書く理由の一つは、次のような不安を持っているからかもしれない。

自分の記憶に自信が持てない。

他の人が聞いたら笑ってしまうような、また、おかしな人だと思われて当然だろう。
自分でもなぜかわからないけど、1日の時間は「思い出す」という行為で大部分が占められていて、それ以外の事はほとんどしていない。
たとえば今までやったことのない新しいことに挑戦してみるとか、食べたいものを食べるだとか、行きたいところに行ってみたりとか。
そういう休日を過ごせたらいいなとは思うけど、僕の選択肢にはそれが無い。
「思い出す」のコマンドが一つ与えられているだけ。
具体的には、過去の出来事を思い返し、それが本当に起きた出来事なのか、自分の勘違いや捏造の記憶ではないかを検証する。
この検証も「思い出す」行為に含めるなら、僕は1日中思い出すことしかしていない。
冗談のような話だ。

勘違いや思い違いは誰にでもあることかもしれない。
でも僕にはそれが不安だ。
みんなが知らないようなことなら勘違いしても構わないけど、誰もが知っている常識的なことを勘違いしてしまいそうで。
たとえば地球は丸いとか、そういうレベルの。
自分だけ地球は平たいと勘違いして日々人と接すれば、根本的な前提の部分で話が噛み合わなくなってしまう。
それが恐い。
地球が丸いのは誰もが知っている。
でも、僕は実際この目で見たわけじゃない。
そう学校で教えられて、あるいはまず世間の常識としてあって、それを当たり前のものとして受け容れている自分がいる。
そういう意味では丸くなくたって、三角だって四角だってどうでも良かったのだ。
記憶はいつの間にか自分の都合のいいように書き換えられてしまう。

そういう訳で、僕は空いている時間があると、なぜ地球は丸いのか考える。
自分の記憶が正しいのかを検証するために。

地球が丸いっていうのは例え話だ。
例えばパチンコ玉を落とし、落下した玉は予め用意した籠に入るようになっているとする。
籠には左から1,2,3,4,5の名前をつける。

100429.jpg

確率的にはこうなる。
1の籠に玉が入る確率は1/16
2の籠に玉が入る確率は4/16
3の籠に玉が入る確率は6/16
4の籠に玉が入る確率は4/16
5の籠に玉が入る確率は1/16

実際に玉を落としてみよう。
玉は計4回釘に衝突し、2の籠に入った。
そこで問題。
玉が2の籠に入ったのはなぜか。

回答1:玉を落とした際の力加減でそうなった。
玉が籠に入るのは物理運動である。
ならば、玉を落とした際の微妙な回転や力加減によって最終的に籠2に入ったと考えられる。

回答1に対する反論:それができるなら毎回玉を落とすたびに2の籠に入れることが可能となる。
つまり、再現性がある時点で確率は否定されてしまう。(ブラウン運動の存在だけでなく、確率そのものの否定だ…)

回答1が有効にならないようにこうしよう。
追加条件:玉は釘と衝突した際に右か左のどちらかに行き、その確率はそれぞれ1/2とする。

すると次の回答としてはこうなる。
回答2:確率4/16の事象が起こった。
4/16=25%
それ程珍しい事象とは言えない。

ではこれならどうだろう。
パチンコ玉を8回落とし、その玉が全て2の籠に入ったとしたら。
確率は4/16の8乗となり、万に一つもない計算になる。
この時も回答2のように、「万に一つもない事象が起こった」と片づけてしまっていいのだろうか。

もし、実は自分たちが知らないだけで、籠2に入れる条件・能力が存在するとしたら。
もちろんそんなものが存在すれば、確率の壁はいとも簡単に乗り越えることが可能となり、今までの常識が覆る。
そんな未知の話は聞いたこともないが、見たことがないからといって存在しないとは言い切れない。

少なくとも物事には2つの見方ができる。
例えば目の前のパソコンが壊れたとしよう。
原因はHDDの故障かもしれないし、落雷で壊れたのかもしれないし、CPUファンが回らなくて壊れたのかもしれない。
それは別の視点で見れば、何万台か生産されたパソコンのうちの、ある一定の確率で発生する事象に過ぎない。
物理的な見方もできるし、確率的な見方もできる。
なんだかとりとめのない話になってしまった…。
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2010年 04月 27日 *
時間は大切だ。
そう思うあまり、何をするにも時間が勿体ないように感じられて、結局何もせずに1日が終わってしまう。
何もしないのが一番勿体ないのに。
食事をするのも億劫で、ようやく食べ物を口にしてみると、予想通り味がしないことに少し落胆する。

生活はこの上なく安定している。
働いた分、給料が毎月入金されるので、以前の生活に比べ遥かに安定的だ。
心配事も少なくなった。

何もできないのは、気分が落ち込んでいるせいだと思っていた。
でも本当は気分とは関係がないのかもしれない。
もともと怠惰な人間だった。

いつか、□□□しようと思っていた。
頭の中だけで。

いつかなんて来ない。
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2010年 04月 20日 *
けっこうめちゃくちゃだ。
第9地区に隔離されているのが少数民族や難民といった「人間」であっても通用する。
ゴミあさりをして生活していたり都市部から追いやられたりするのは、現実世界そのまま。
卵を焼き払うシーンだって、人道支援と称して介入する先進国がやっていることを明らかに意識して作っている。
ただ映画の中の姿・形がエイリアンなので、観た人は「気持ち悪い」で完結してしまう。
故郷に帰りたいという家族の願いは叶わず、狭い収容所送りにされるエイリアンたち。
そこで起こっていることは人間がこれまで行ってきたことの延長上にあり、現在でも行われていることでもある。
ただし作者はそれを批判したいわけでもなく、あくまでエンターテイメントとして引き立てるための子道具の一つとしてしか捉えていない。
現実の社会批判ではなく、異星人の架空の話というところで終わっており、それ以上の言及はない。
そのやり方は不謹慎といってもよく、そういう意味では不快に思う人は大勢いるだろう。
たとえばトランスフォーマーの中身はエンターテイメントに徹しているからこそ観客が楽しめるようになっている。
そこに突然何の前触れもなく淡々と貧困や難民問題を出されても視聴者は困惑するだけだ。
ストーリーと何の関係もないからだ。
第9地区も全体的にはエンターテイメント作品なのだが、数々の設定が唐突に出現する。
しかしその設定の必要性はあまりない上に、「異星人の話だから」といつでも逃げられる作りになっている。
エイリアン居住区という最初のアイディアが興味深かっただけに残念だった。
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2010年 04月 18日 *
寝ている間に起こされた。
僕の携帯が鳴っているらしい。
見ると職場からの着信ではなかった。
液晶ディスプレイには「公衆電話」と表示されていた。
僕は言った。
「間違い電話みたいだ。もう寝よう」

次の週にも夜1時過ぎ頃に電話が鳴った。
僕は着信音が鳴り止むのを待った。

それから2週間に1回くらいのペースで奇妙な着信は続いた。
誰が何のために電話をしてくるのだろう。
考えを巡らせるが、内容はいつの間にか仕事のことにすり変わっていた。
仕事のことを考えると気分が落ち着かなくなった。

僕はある行政機関の中で働いている。
そこでは予算が湯水のように使うことが許されていて、それがニュースや新聞に報じられることはほとんどない。
というより、そもそも一般の人はこの組織の存在すら知らないだろう。
当然のように活動内容も一切公表されない。

僕は、仕事から帰宅してから寝る前に一人で出かけるようになっていた。
といっても目的地があるわけではない。
車で夜の街を思いつくままにドライブする。
人通りの少ない深夜のドライブは僕の心を幾分リラックスさせた。
車好きの人間にとっては珍しくもない趣味だが、僕は単に一人の時間が欲しかっただけなのかもしれない。

僕は今の仕事をするようになってから、ある疑問を持つようになった。
その疑問は徐々に確信へと変わっていった。
それはまるで荒唐無稽なものだった。
周りに言ったら変人のレッテルを貼られそうだったので、上司にそっと聞いてみた。

「前から疑問に思っていたことがあるのですが」
幸いなことに僕の上司は温厚だったので、何を言っても大丈夫だと思った。
その安心感も手伝って、僕は抱えている疑問やある確信に至るまでの経緯について長々と述べた。
意外にも、上司は僕の疑問に興味を示さなかった。
なんだ、今頃気づいたのか、と言わんばかりの反応だった。
それは僕を驚愕させた。
もしこの仮説が正しいとすれば、ある結論が導き出される。
僕は尋ねた。
「一体、いつからこのことがわかっていたんですか?」
「知っての通り、この研究が始まったのは10年前だ。その時からわかっていた。問題は、その日がいつなのかということだ」
要するに、結論はだいぶ前からわかっていて、ここで行われている研究は、それがいつなのかを予想するためだったのだ。
「率直に言って、それはいつになりそうなんですか?」
上司は眉をしかめて言った。
「そんなことは誰にもわからない」
気まずい沈黙が続いた後、こう付け加えた。
「でももし私が誠実な医者なら、患者の家族に言うだろう。『もって3ヶ月でしょうね』と」

終末論。
僕は時々ささやかれる、そんなありもしない空想を心のどこかでバカにしていた。
今日が終われば当然のように明日がやって来ると思っていた。
でも、バカなのは僕の方だった。
僕が寿命を迎えるより先に、地球が寿命を迎えるなんて、今まで考えてもみなかった。
あと3ヶ月前後で人類は初めての経験をすることになり、それにより今まで続いてきた命の連鎖が途絶える。
その日までどう過ごすべきか。
目の前では相変わらず黙々と研究が続けられていた。

自分の所属している組織がこれまでと違って見えた。
ただそう考えると全ての辻褄は合う。
ここに近い別の部署では情報統制を担当していた。
このことを事前に公表したら市民はパニックを起こし、おそらく都市は無秩序状態になる。
よって事実はできるだけ隠した方がいい。
それは僕も同意見だった。
どうせ終わるなら痛みを感じる間もなく一瞬で終わるのが理想的だ。

以前にも増して間違い電話が頻繁にかかってくるようになった。
それは夜中の時間帯に集中していた。
徐々に誰の仕業によるものなのかわかってきた。
こんなことをするのはあいつしかいない。
そう考えるようになってから、いつ電話が来るのかもだいたい予想がつくようになった。
電話が呼び出し音を告げる間に、あいつの息遣いを感じた。

僕も仕事であのことを知ってから、深夜にドライブすることが多くなった。
あの日が近づくにつれ、気持ちばかりが焦った。
いくら探しても見つからない。
あの日がもうすぐ来てしまうのではないか。

車の中で携帯電話が鳴った。
あいつの呼吸が聞こえる。
なぜこういう形で夜中に電話してくるのかわからないけど、あいつならやりそうなことだと僕ならわかる。

見つけた。
あいつは通りかかった電話ボックスの中にいた。
僕はその電話ボックスの扉を開け、何も言わず後ろから抱き締めた。
もういいやと思った。
もうすぐ世界は終わるのだから。

ずっと無言だった。
電話回線だけが繋がってるように。
お互い泣いていた。

明るい未来なんて最初からなかった。
そしていつか崩壊する。
僕たちにできるのは、それを延命させることだけ。

あと何日生きられるんだろうね。
そうだ、これから温泉に行こうよ。
ずっと前、行きたいって言ってた。

辺りの空気は冷たく乾燥していた。
見上げると夜空は嘘のように星が輝いていた。
僕たちだけが孤独に追い詰められている気がした。

なぜかはわからないけど。
全ては崩壊する。
人も、社会システムも。
それに文句を言う人は、崩壊を知りつつ延命しようとする人の存在を知っているのだろうか。

僕の生活は変わらない。
これからも最後の日が来るまで職場に通う。

どうせ終わるなら、できれば痛みを感じる間もなく一瞬で終わって欲しい。
そう願わずにはいられない。
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2010年 04月 12日 *
ほんの10年ちょっと前までは携帯電話はアナログ方式だった。
その通話は簡単な機材さえあれば第三者が傍受可能だった。
ただ利用者はそんな事実を気にせず使用していたし、会話を傍受していたのも一部の無線マニアだけだった。
会話の傍受というとスパイ映画のようなスリリングな展開を期待しがちだが、決してそんなことはない。
今日は早く帰るから駅まで迎えに来てくれとか、夕飯何にするとか、そんな内容が多くを占めていた。
実際に自分たちがどんなシーンで携帯を利用するかを考えて欲しい。
他愛のない日常会話がほとんどではないだろうか。
第三者がそれを聞いたところで、決して面白くはない。
もし仮に面白いと感じる内容があったとしても、それは非常に可能性の低い出来事であるはずだ。

それは居酒屋で知らない人の話を盗み聞きするのに似ているかもしれない。
日本には居酒屋は無数にあって、そこでは毎日知らない人の愚痴や説教が吐き出される。
第三者がそれを聞いて面白いと感じる確率はかなり低い。

人の書く文章にも同じことが言えると思う。
ネット上の日記や小説を含め、文章というものはもともと好みが分かれやすいので、自分が読みたいと思うものに出会う確率は低い。
だから、自分の意見や主張について書くことはあまり意味を持たない。
他人はそんなものに興味はないからだ。
アニメのあらすじとかゲームの攻略とか、なるべく第三者にとって役に立つ情報を書いた方がいい気がする。


第11話 不定形惑星ヌルーバ

これまでの話に比べて回想シーンがあったり冗長な台詞があったりするので、密度は多少薄い。
ニセ主人公が出てくるシチュエーションも既に6話でやっているし、それを埋めるかのように全裸シーンが挿入されるのは一体…。
ただ不定形惑星ヌルーバは自殺の名所という設定で、ラストで物語と何の関係もないと思われた若い男女が身を投げるので驚いた。
しかも身を投げる時に流れるBGMが割と明るかった。
生活苦などの苦しみから逃れるためでなく、美しいまま死にたいという欲求のために肯定的に死を選んだことを強調したかったのかもしれない。

不定形惑星ヌルーバという言葉からも想像できるように、その惑星にはアメーバやスライムのようなぐにゃぐにゃした異星人が登場する。
(最初彼らは人間の体を捨てて、「人間→アメーバ」となる道を選んだのかと思ったが、どうやらもともとその惑星で生まれた異星人らしい。)
異星人の主張は、人間は差別されたり醜くなって死んでしまうなら、形なんて最初からない方がいいというものだ。
その対極にあるのは、花は散るからこそ美しいといった考えかもしれない。
またそこに若いまま自殺する男女が現れるので、鉄郎はわけがわからない状態になる。
そうだ、僕は999に乗って機械の体を手に入れ永遠の命を得るんだった。

人間である以上、欲望を否定することはできないし、人は欲望を満たすために生きているとも言える。
ただそれが何のためなのかを考えなければならないのは、鉄郎だけではないだろう。
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2010年 04月 11日 *
異性と接する時に相手のどこを見るか。
二の腕が気になる人は二の腕フェチ。
手のひらが気になる人は、手のひらフェチと言うのだろうか。
よくわからないけど、最近アニメなどを視聴する際、どうしても気になって見てしまう部分がある。
それは、ロボットがダメージを受けた場合に操縦士はどうなるのかということだ。
死の判定ルールはアニメごとに違う。

30年くらい前、「機動戦士ガンダム」がTVで放映された。
「たかがメインカメラをやられただけだ」というアムロの有名な台詞からもわかるように、ガンダムとパイロットのダメージは連動しない。
モビルスーツのダメージが蓄積していき、ある一定のダメージに達すると爆発が起こり、その影響でパイロットが死亡する。
またモビルスーツが無傷で爆発が起こらなくても、ビームサーベルがコックピットを貫いた時、パイロットは死亡する。

15年くらい前、「新世紀エヴァンゲリオン」がTVで放映された。
ガンダムと同様に登場人物がロボットを操縦するアニメだ。
このアニメはロボットがダメージを受けた時にパイロットもダメージを受ける点においてガンダムの設定とは異なっている。
これはエヴァンゲリオンが右腕にダメージを受けた時にパイロットも右腕をおさえて痛がるシーンからも明らかである。
アニメではこの現象をシンクロ率という言葉で表現していた。
ロボットとパイロットがシンクロしているから、痛みも連動するという理屈である。
ただ、エヴァンゲリオンが死亡するくらいのダメージを受けた時、パイロットは死亡するのだろうか。
作中ではその直前に大抵神経接続が切断されるので明確には描かれていない。

同じく15年くらい前、映画「攻殻機動隊」が公開された。
電脳という概念が取り入れられ、映画の冒頭では記憶を改ざんされた人物が登場する。
また8年くらい前に放映された「攻殻S.A.C.」では、ある人物Aが見えているものとある人物Bが見えているものが違うといった現象が視聴者に分かりやすく描かれている。
ただ義体をリモートで操作する設定には疑問を感じる部分もある。
主人公が死亡したと思ったら、実は遠隔操作された義体だったので本人は何ともありませんでした、というオチはどうなのかと。
全くノーダメージなら全てのミッションを遠隔でやればいいのに。
そもそも通信には送信と受信があり、送信のみで操作することはできない。
操縦士の痛み全くなしで遠隔操作する設定には少し違和感をおぼえてしまう。

映画「ターミネーター2」ではダメージを受ける仲間のサイボーグに対し、人間が「痛くないの?」と訊ねる。
この時サイボーグは、「ダメージを受けた情報は痛みとして認識される」みたいなことを言う。
視聴者がサイボーグでも人間と同じように痛いのだとわかる重要なシーンだ。

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIGの第1話では、主人公がテロリストを殲滅するため電脳をハックし、一人のテロリストを操作して同士討ちをさせるシーンがある。
その結果、電脳をハックされたテロリストは仲間から殺され、その瞬間遠隔操作も中断されるのだが、この時電脳をハックした主人公は全くの無傷だ。
自分にとっては主人公の活躍がなぜか不快だった。
都合のよすぎる設定に無理があったのかもしれない。

例えば人間に強い痛みだけの信号を送り続けた場合、人体にどのような影響を与えるのか。
それによって死亡する可能性はあるのだろうか。
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2010年 04月 09日 *
気づけば3月を過ぎていた。
最も自殺率の高い月は乗り切ったが、何も変わらない。
トンネルを抜けて新世界が開けたりはしない。

僕はすっかりあちらの人間になってしまったのではないか。
一度あちらの世界に行ってしまうとなかなか戻って来れない。

社会に出るだけなら飛行機を操縦して離陸させるくらい簡単だ。
でも戻ってくることは、飛行機を着陸させるくらい難しい。

放映回数100話を超えるアニメを見続けるかどうかを判断するにあたり、視聴者が区切りにするのが1話や10話だと思われる。
実際、自分もとりあえず10話まで見て、続きを見るかどうかはそのあと考えようとしていた。

10話を見終えたあと、自分の中で何かが変わった。
1話から10話までの感想を書き残したいと思うようになった。
言い換えれば、999の感想を書くきっかけを与えてくれたのがこの第10話だった。

本当は順番通り書きたかったけど、自分にとって春がいつ訪れるかわからないから。
もう書くことにする。


第10話 トレーダー分岐点(後編)


10話は今までの話と若干ではあるが系統が違う。
いや、別の輝きを放っていると言った方が適切かもしれない。
銀河鉄道999は1話ごとに1つの星を訪れるという暗黙のルールが存在する。
しかし10話では、列車が停車中に更に鉄郎が別の星に行って戻ってくるという出来事が発生する。
これにより、このエピソードが本線とは少し脱線した話であることが示される。

鉄郎はトレーダー星である貧しい女性を助け、知り合いになる。
鉄郎は眠っている間に彼女の故郷である野の花星に連れて行かれる。
目覚めた鉄郎はすぐトレーダー星に帰ろうとするが、彼女に「わたしの両親に会って欲しい」とお願いされる。
鉄郎が断りきれずにいると周囲で話が進み、なぜか彼女と結婚することになってしまう。

鉄郎は見た目が明らかに子供なのに、結婚するのはおかしい。
しかも、彼女の両親まで、鉄郎を本当の旦那さんのように喜んで家に迎え入れる。
(このように製作者は視聴者に対し「おや、何か変だ」と思わせる伏線をあらかじめ張っている。)
結婚披露宴の段階になり、視聴者の疑問は最高潮に達する。
彼女と両親はあたかも披露宴に招かれた客が存在するかのように振舞うが、鉄郎がどう見ても参加者が一人もいないのだ。

これを見て視聴者はわけがわからない状態となる。
客は本当にいるのだろうか。それとも、いないのか。
製作者はそう思わせるために敢えてこうした話を作っている。
両親に目があるようなないような微妙な顔に描いたのもこのためだと思われる。

両親にはおそらく客が見えている。
そう思わせる項目はいくつかあるが、その中の印象的な動作の一つとして、彼女の母親が客へお酌をしに行く場面がある。
母親は客の杯を注ぎ、そのあと「ご返杯ですか」と言って自ら杯を飲む。
時間にすると僅か数秒の出来事ではあるが、ここに作者の技が凝縮されており、それは職人芸の域に達していると言っていい。

この披露宴の後、鉄郎は無事トレーダー星に戻り、999の発車にぎりぎり間に合って話は終わる。

結局、この話は何だったのか。

終盤でメーテルは鉄郎に言う。
「鉄郎も偉かったわ。よく花子さんの前で『僕は違う』って言わなかったわね」
鉄郎は答える。
「あんまり驚くことが多くて、なんにも言えなかったのさ」

確かに鉄郎は、このエピソードにおいて何かを選択したり何かをした訳ではない。
終始状況に流されるまま、ただ座っているだけだった。
むしろ主体的に行動したのは彼女の方である。
それでもメーテルは鉄郎を褒める。
鉄郎視点では、メーテルのやさしさが強調されるシーンである。

一方、別の視点では次のようにも考えられる。
なぜメーテルは鉄郎を褒めたのだろうか。

人が存在しないのにもかかわらず、人が存在するかのように登場人物が振舞う話に「ラースと、その彼女」という映画がある。
ストーリーを一言で言うと、主人公が人形の彼女と付き合う話だ。
主人公の姿を見た周りの人は「それはただの人形だ」と言う。
それを聞いた主人公は怒る。
自分の妄想を壊されたから怒っているのではない。
「ひどいことを言う人だね。人形だなんて。気にしなくていいからね」
みたいなことを言って、彼女を必死で慰める。
この行動により、彼にとって彼女は人形ではなく、本物の彼女であることが示されている。

999の第10話においても両親の振舞いから、「どうやら客がいるらしい」ことが上手に示されている。
直接結果を示したりするのではなく、視聴者に推理させる意味において10話のレベルは突出している。

「ラースと、その彼女」の映画の核心は、人形を彼女と言い張る人間は主人公だけだったが、周囲も徐々にそれを受け入れて本当の彼女として接するようになるストーリー展開にある。
ここに、それが人間のやさしさではないかという作者の意図が反映されている。
第10話も「客なんていない」と言わなかった鉄郎をメーテルは褒める。
ここでも、不条理な世界の中で、本当のやさしさとは何かを訴えようとする作者の思いが込められている。
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2010年 04月 07日 *
立ち止まろうとする僕を置いて秒針が進んでいく。
生きていくことは、死に一歩一歩近づいていくこと。
だから書き残したい。
それで前に進めるなら。
それは春を待つ心境に似ている。
いつ訪れるかわからない季節を待ちわびながら。
あと何回経験できるかを考えながら。
そうやって今日感じたことを忘れてしまう。
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2010年 04月 04日 *
4月ってこんなに寒かったっけ。
1日は嘘みたいに暖かくて桜が咲いていた。
奴らは少なくとも現代人より日付をよく知っているのではないかと思う。

同じ職場の女の子が地方へ異動になった。
本人も突然知らされたらしい。
春だ。

仕事の帰りにたまには飲みに行こうという話になった。
人数は自分を含めて4人。
今度異動になる人も連れて行った。

僕は飲んでいるうち、彼女のことを人間的に嫌いではないなと実感していた。
二人は終電があると言って途中で帰った。
彼女と僕は二人きりになってしまった。
職場で話したことはあるけれど、こうして二人きりになることは今までなかった。
僕はなぜか緊張して何を喋ったらいいかわからず、ひたすらお酒を飲んでその場をやり過ごした。

しばらくすると、お互いの終電も近づいてきた。
「帰ろうか」と僕は切り出した。
彼女は僕の前のグラスを指差して言った。
「だめ。このお酒を飲み終わってから」

今まで無理して飲んでいた分、正直、これ以上飲むのはきつかった。
それで一度断ろうとしたが、拒否された。
この流れになると彼女は絶対に折れない。
仕事を通してそんな頑固な一面があることを知っていた。
でも自分としても一滴も飲みたくはなかった。
「わかったよ。飲むよ」
僕は諦めることにした。

「でも**さんのために飲むんだからな。勘違いするなよ」
そう言って、僕はしまったと思った。
何だかすごい台詞を口にしてしまったかもしれない自分が恥ずかしくなり、思わず下を向いた。
その後、気になって彼女の方をちらっと見た。
よかった、彼女はいつもと変わらない様子だった。

帰りの電車の中、僕は彼女にメールを送った。
**さんがいなくなるのは残念だけど、必ず戻ってきて欲しい。
そんな内容のメールを送った。
でも、何日経ってもメールは返って来なかった。

後日、彼女がどうやら怒っているらしいことがわかった。
メールに気持ちを込めたつもりでいた僕は、なぜ彼女が怒っているのかわからなかった。
どうやら彼女としては、東京を出発するまでまだ日数がだいぶあるのに、これでお別れみたいなメールを送ってきたことが気に入らなかったらしい。

そうだ。
確かに、僕はあの時、「行かないで欲しい」と伝えるべきだった。
たとえそれが冗談交じりの馴れ合いだったとしても、それで彼女が異動になる事実が変わらないとしても。
こういう時、やっぱり言葉って難しいなと思う。
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2010年 04月 04日 *
あれから10年近い月日が経つ。
僕は未だに彼のことを思い出す。
あの時のことが忘れられないのだろうか。
それとも、忘れてはならないのだろうか。
これはそういう個人的な問題のために書く。
最初に断っておくが、この話は他の人が読んでもつまらないと思う。

それはあの日から始まった。
彼は大企業に勤めるサラリーマンだった。
彼には嫌な上司がいた。
仕事に関して嫌味を言うのは気にならなかったが、日頃から彼の出生や人格を否定する発言をするのが気に入らなかった。
「お前は親に何不自由なく育ててもらったのに、どうしてそんなことも出来ないんだ」
確かに親に不自由なく育ててもらったかもしれないが、そんな言い方をしなくたっていいだろう。
その日も上司は会議で彼の報告書を一瞥し、真正面の席から言った。
「お前は全然駄目だ」
彼は一生懸命、出来る限りのことをやっていた。
その結果が認められないということは、彼にとって自分を否定されたのと同じだった。
彼は今まで積み重なってきたものが爆発し、とうとうキレてしまった。

そしてものすごい勢いでスーツを脱ぎだした。
本来なら社員証やIDカードをテーブルに叩きつけて退席する場面だが、彼にとってはスーツ=制服という概念があった。
だから「こんな会社辞めてやる」と意思表示するため、彼はスーツを脱ぎはじめた。
1分足らずの間に彼は上に白いランニングシャツと下はトランクス姿で、会社から飛び出した。

通常ではあり得ない格好だったため、通報されれば捕まってもおかしくはない。
だが外では激しい雨が降っていたのが幸いした。
通行人は傘をさすことに精一杯で、誰も彼のことなど気に留めなかった。

雨を受けている感覚や雨粒の冷たさは感じなかった。
それくらい感覚は麻痺していた。

途中で中年のおばさんに呼び止められた。
「ねえぼく、どうしたの?」とでも言いたげに彼に近寄ってきた。
彼女は彼に傘を差し出そうとしたが、彼はそれを断った。
彼女は一本しか傘を持っておらず、彼に傘を渡せば今度は彼女の方が濡れてしまうからだ。

会社から鞄を持ってこなかったことを今更ながら後悔した。
所持金は1銭もない。
それどころか財布も免許証も携帯電話もない。
彼は文字通り、1枚のシャツとトランクス以外何も持っていなかった。
さっき昼食をとったばかりだから、飢えて死ぬとしても何日か先のことだろう。
そんな冷静で無慈悲な計算力はまだ残されていた。
とにかく1日中でも歩いて、この状況を何とかしなければならない。
とはいえ、一体どこに行けばいいのか。
ずっと考えても彼が思い浮かぶ場所は一箇所しかなかった。
だが徒歩ではそこまで行ったことがなく、道がわからなかったため、彼は線路沿いを移動した。
この方法なら確実に辿り着けるが、道の途中で何回も駅を通り過ぎなければならなかった。
駅前は大抵スーパーが立ち並び人通りも多いので、通り過ぎるのが恥ずかしかった。

辺りが暗くなりはじめた夕方過ぎ頃に、ようやく目的地に着いた。
そこは昔付き合っていた元彼女の住むマンションだった。
今では彼女は職場の10歳以上年上の既婚者と付き合っていて、彼のポジションは相当上らしい。

彼女はいるだろうか。
おそるおそる1階のエントランスでインターホンを押す。
「はい?」
忘れもしない、彼女の声がした。
「急にごめん。俺だけど…。助けて欲しくて」
まさか別れてすぐ音信不通になった男が突然、自分の部屋の前にやって来て懇願してくるとは思わなかっただろう。
でも、彼にとって頼みの綱は彼女だけだった。
彼女はどうしていいかわからず、部屋のドアを開けてしまったのかもしれない。

彼女は簡単な食事を作ってくれた。
彼はそれを食べ終えると、そのまま彼女のベッドに横たわった。

それからようやく普通の感覚が戻ってきた。
そうだ、彼女の匂い、こんなだったっけ。
辺りを見回すと女の子らしい、綺麗な部屋だった。
立地条件や間取りを考えると少なくとも家賃は数十万円はしそうだった。
自分にとってはあり得ない金額だが、彼女にとってはそれが当たり前のようだった。
以前彼女とは付き合っていたものの、既に遠い存在のような気がした。

「そういえば、彼氏は今日来ないの?」
「来ない。来る時は必ず連絡くれるから」
彼氏が来ないことがわかり、少し安堵する。
なるべく彼氏と遭遇することは避けたかった。
もし会おうものならその場で殺されるような気がした。

じっと横になりながらあれこれ思案していると眠くなってきた。
このまましばらく寝てしまおう。

突然の出来事に目が覚めた。
ドアに鍵をガチャガチャと差し込む音がして、それからドアがギイと開く音がする。
「ただいまー」
男性的で低い声がはっきり聞き取れた。
彼は彼女の部屋の合鍵を持っていたのか。
…いや、そんなことはどうでもいい。
バレたらまずい。
というか、既にバレてるんじゃないか?
そうだ、玄関に靴が置きっぱなしだったじゃないか。
迂闊だった、あれで確実にバレている。
いや待て、今日は靴を履かずにここまで来たんだった。
それならまだ今の時点ではバレてないのか?
でも彼女は嘘をつけない性格だから、途中でバレてしまうかもしれない。
彼は、彼女が友達が来てるなどと言って上手く誤魔化してくれことを祈った。
いつ彼女の寝室の扉が開けられるかと冷や冷やしながら、息を殺し耳を澄ましていた。

彼は常に緊張しながら辺りの音に集中していた。
気づくと朝になっていた。
すぐ隣で彼女が寝ていた。
「ちょっと起きて。あれから彼氏はどうしたの?」

どうやら彼氏は既に会社に向かったらしい。
仕事熱心な彼氏だ。
それに比べて俺ときたら…昨日から何やってるんだろう。

床に男性用の洋服が畳まれて置いてあった。
彼は彼女とまだ付き合っていた頃のことを思い出した。
あの頃とさほど変わっていない。
彼女の広くて豪華でおしゃれな部屋とセックスしていないことを除いては。
でもそれがけっこう重要なことのような気がする。

「服、用意してくれてありがとう。あのさ、まだあれ持ってる?」
彼は自分の部屋の鍵をまだ持っているかを彼女に尋ねた。
「あるけど」
「それ返してもらってもいいかな」
しばらく考え込む仕草をして彼女は言った。
「え、…なんで?」
その言葉は意外だった。
まず第一にその鍵はもともと自分のものである。
第二にその鍵を一番欲しているのは世界中どこを捜しても自分であるのは間違いない。
なんでも何もない。
それがなければ今、自分の部屋に入ることができないのだ。
彼は今までの事情を説明し、ようやく彼女から鍵を取り戻すことができた。

彼は自分の部屋まで徒歩で移動することにした。
今度は更に長距離を歩かねばならなかった。
ただ歩いている間も、さっきの彼女の態度が理解できなかった。
付き合いはもうとっくに終わってるのに、一体何考えてるんだ。

自分の部屋に着いたのは夜中だった.
だが彼にとってはむしろ都合がよかった。
日中であれば会社の誰かが様子を見に来るかもしれない。
彼は部屋の中を物色した。
部屋には彼がメインで使用している通帳はなかった。
いつも会社の鞄に入れたままだったからだ。
ただ唯一、以前偶然作った口座だけが残されていた。

朝になる前にこの部屋を出なければならない。
この部屋は会社と提携している物件で、家賃も給料から毎月天引きされて支払われている。
会社を辞めたということは、この部屋も早々に引き払わなければならないことを意味していた。
彼は生活に本当に必要なものだけを選び、部屋を後にした。
中が散らかったままだったのが心残りだったが、きっと親切な社員が片付けてくれるだろう。
まあこんな人間が現れることは完全に想定外だとは思うが。

良心を痛めている状況でもなかった。
持っている口座の残高は50万円ほどしかなかった。
このまま数ヶ月生きられるとしても、残高がゼロになった時、おそらく自分の生命は終わる。
彼はそれだけのことをしてしまった。
でも、ある程度覚悟はできていた。
そういう人生もあるさ。
その部分に関しては、意外とあっさり納得できていた。

それから彼は何をするわけでもなく淡々と日々を過ごした。
初めての一切束縛のない生活を楽しんですらいた。
ただ残された時間は限られていた。
あと1日というほど切羽詰ってはいないが、何年も暮らせるというほど裕福でもない。
彼は今後何とか一人で生活できないかを一応模索し始めた。

数ヶ月が経過し、残された時間も僅かになっていた。
彼はそれまで調べたもののうち、どれかに運命を預けなければならなかった。
これに賭けてみるか。
ここまで来ると絶望も希望もなかった。
運のみが自分の命を左右する。
だが何もない彼にとっては、それが相応しい最後のような気がした。

更に1ヶ月が経った。
信じられないことに、彼の通帳の数字は増えていた。
そして、それからもずっと彼の預金はなぜか増え続けた。
まるでマジックのようだった。

しばらくすると彼は、彼女が住んでいたような高級マンションに住みはじめた。
それは彼の能力というより、運の要素が大きい。
彼が偶然それを発見したことに加え、周りの状況にも助けられた。
それらを総合すると、運と言う他なかった。
例えば偽名の銀行口座を持つことは、今ではかなりの犯罪行為と言える。
それに法律も強化されているので、実現が難しい。
架空の銀行口座など、詐欺やマネーロンダリング等に使用される可能性が高いので、規制が強化されるのは当然だった。
ただ結果として、彼は別人になることに成功し、それに加え、サラリーマン時代の何倍もの収入を得るようになった。
一応彼の名誉のために言っておくと、彼は詐欺を行ったのではない。
彼の性格からして、そうするくらいなら潔く死を選ぶタイプの人間だ。
彼は当時、自分の身分を証明するものを何も所持していなかったため、生き延びるために仕方なくそうした方法を取ったと思われる。
もちろん彼がルール違反をしたことに関して、僕は彼を擁護するつもりはない。
でも、この世で成功者と言われる人の中で完全に白と言い切れる割合はどれ位かを考えると、彼だけを責める気にもなれない。

それから数年間、彼はひたすら一人で生き続けるが、そんな生活にも終止符がうたれた。
一人の生活に大分慣れた挙げ句、気が変になりそうになったのだ。
よく会社に入りたての新入社員が大金持ちになって悠々自適な生活がしたいと公言するが、そのあと一体どうするのかと思う。
もし大金を手に入れたところで、何も変わらない。
彼だけに当てはまるのかもしれないが、とにかく彼の生活は何も変わらなかった。

彼に昔のことを訊ねても、言葉を濁すばかりであまり語りたがらない。
「彼女のこと、まだ好き?」
そう聞いても曖昧な返事が返ってくるだけだ。
僕は今ある材料だけで彼の行動を分析してみた。
すると、彼はこの数年間、彼女の幻影を追いかけ、彼氏の壁を乗り越えようとしていたのではないかという仮説が思い浮かんだ。
きっとそれはある意味では正しく、ある意味では違っている。
少なくとも収入の面においては彼氏の経済的な力を目標としていたに違いない。
そしてそれを乗り越えた瞬間、いくらかの達成感を得ただろう。
しかし数年間の月日は、同時に彼の限界をも思い知らせることになった。
どんなに努力を重ねたとしても、彼氏に勝てない面がある。
それは生命力のようなものだった。
彼氏が苦しみをバネにして努力を続ける一方で、彼は絶望し何もせず1日を過ごしてしまう。
例えば二人が別々の無人島に漂着したら、最後まで行き続けるのが彼氏で、一番最初に死ぬのが彼。
彼は衣食住やネットなどのインフラに恵まれ、その他の社会的な情勢にも恵まれ、理想的な状況の中でしか力を発揮できない。

彼はマンションを出た後、貧乏大学生が借りるような安アパートに住み、別人のまま会社に就職し働いている。
彼にとってはその暮らしの方がしっくり来るのだろう。

つらいことから逃げてはいけない。
そう言うけれど、もうどうしようもなくなったら逃げてもいいような気がする。
もちろん何かを失うだろうけど、それは仕方のないことだ。
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The Original by Sun&Moon