それまで1日何もしなかった僕は外に出ようと考えた。
傘はさしていたけど足が濡れ、腕が濡れ、服がびしょ濡れになった。
友達がおすすめしている映画を借りるためにTSUTAYAへ行った。
TSUTAYAのホームページでは最大5店舗の在庫検索が行えるようになっていて、事前にお店に置いてあるかチェックしていた。
しかし、店内の棚をいくら探しても借りようと思っていたDVDは見つからなかった。
仕方なく店員さんに探してもらった。
15分位経過したが、やはりありませんとの返事だった。
確か、僕はこの場面で「ああ」とか「うう」とか言っていたと思う。
ここで怒りっぽい人は、
「どうしてくれるんだ、おれの時間を返せ」
などと文句を言うのだろう。
あるいはやさしい人なら、「探してくれてありがとう」
と感謝の言葉を口にするだろう。
僕は、目の前に広がっている光景が主観視点なのか客観視点なのか、ここが現実なのかさえわからない、もしかすると本当の自分はベッドで寝ているのかもしれない。
今の仕事にしろ、ほぼ頭を使うことはなく、ただ時間が過ぎていくだけ。
プライベートにしろ、発言の機会はなく、飲食店でメニューを注文するだけでも苦痛。
僕は僕の時間を生きているのだろうか。