人気ブログランキング | 話題のタグを見る
Top
ストレスと奇行
2015年 02月 13日 *
人は何か新しいことを見たり聞いたりした時に新しい感情が芽生える。
例えば生まれた瞬間、初めて外側の景色を目の当たりにした時、何らかの感情を抱いたはずだ。
もうとっくに覚えていないかもしれないが。
同様に、人は肉体の縛りから解放された時、新たな感情が芽生えるだろう。
現実世界における言語や概念がそれまでとは異なるものに変化し、自己認識が溶けはじめる。
たまに幻覚に追い立てられるように奇行に走る人が出るが、僕は彼らのことを単純には責められない。
もし彼らと同じ状況に陥ったなら、きっと同じことをしてしまうだろう。
例えば自分が蚤のサイズまで小さくなった状態で周囲を見渡すと、これまでになく気持ちの悪い風景が広がることになる。
それは現実世界では見たことがないだけに、形容しようのない程、気持ちが悪いものだ。
もし仮に地球を飛び出て宇宙空間から天体を見るとする。
あるいは、太陽のフレアの方まで近づいてみる。
そこにあるのは現実世界で味わったことのない恐怖。
例えば夜誰もいない部屋で星の拡大写真を見た時に怖くなったりすることがあるけど、あれとは全く比較にならない別次元の恐怖。
現実世界でそうした経験は不可能に近い。
だが、現実世界という括りに当てはめなければ、そういった経験は可能で、そこから得られるものも無くはない。
ただしプラスの影響かというと必ずしもそうではない。
人生観が変わってしまうのは確かだが、自ら積極的にするべきことではないかもしれない。

20年程前、「日常においてある程度のストレスは必要だ」と主張する英文を読んで衝撃を受けたことがある。
それまでの自分は、生きていく上でストレスは排除するべきものと思っていた。
だが、そうではないというのだ。
それ以降、残念ながらそうした論説をあまり聞いたりせずに過ごしてきてしまったが、確かにそれは当たっている気がする。
極端な例だが、閉鎖空間で寝たきりの生活が続いたらきっと発狂してしまうだろう。
その意味では子供のしつけは非常に難しいものだ。
子供からしてみれば、親が暴力を振るおうが、何をしようが、全く愛情を感じていないかというとゼロにはならない。
親が子供を養っているという事実は厳然として存在しているからだ。
信じては裏切られを繰り返し、ストレスを受け続けることで育まれる人格というものも確かに存在する。
それがいいか悪いかは別として。
by nochoice1 | 2015-02-13 22:27 *
<< DENON AH-D501(2台目) ページトップ 期待 >>
The Original by Sun&Moon