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ポータブルMP3プレーヤー比較(2)
2005年 04月 30日 *
前回はMP3が登場、普及に至るまでの流れをざっとではあるがまとめてみた。
ここまでMP3が普及した事や、ネットインフラが整備されたのも、違法とされながらも水面下で発展し続けたファイル交換と無縁でない事がお分かり頂けたと思う。

そもそも、昔から友達同士CDを交換する事自体は行われていたし、違法とまではならなかった筈だ。
しかし、インターネットが普及し不特定多数の人間がファイルを交換する現在の事態は、レコード会社や著作権協会にとって、利益を圧迫する脅威と考えられたのである。
著作物の販売利益を公平に分配するにはどうしたらいいのかという論争は今も尽きる事がない。
「私的録音録画補償金制度」というキーワードでGoogle検索をかければ、参考となるページがいくつも見つかるので、興味のある方は一度調べてみて下さい。

さて、ここでやっとポータブルMP3プレーヤーについて本題に入り、購入前にチェックしておきたいポイントを挙げる。

1.メモリ型かHDD型か
ポータブルMP3プレーヤーは大別すると、データ記録媒体としてフラッシュメモリを使用するタイプとハードディスクを使用するタイプの2つに分かれる。
フラッシュメモリとはシリコンとも呼ばれ、だいたい256MB~1GBくらいまで保存出来る製品が主流である。
メモリはHDDと比べ落下などの衝撃にも強く、また、曲の頭出しスピードも速い。
一方、HDDのタイプはメモリ型より大きさ・重量ともに一回り大きく、また精密機械ゆえに衝撃の弱さもある。
携帯電話なんかをよく落としたりする人には向いていないかもしれない。
だが、メモリ型よりもデータ容量は圧倒的に多く、5GB~40GB、曲数に換算すると数千曲が保存可能である。
よって、MP3プレーヤーに曲をなんでもかんでも保存するデータストレージの役割として使用するのであれば、HDD型がお奨めである。
逆に、あらかじめチョイスした好きな曲だけを聴き続けるスタイルなら、メモリタイプがお奨めである。
しかしここで注意しておきたいのは、HDDに保存したデータは永遠には残らないという点である。
HDDにはいつかは寿命が訪れ、壊れてしまう。
従って、HDDに保存したからといって安心するのではなく、いつかは壊れてしまうデータなのだという事を認識した上で利用したい。
また、これはメモリとHDD両方について言える事だが、容量を後から増やす事は出来ないので、データ容量については保存する曲数を考えて選択したい。

2.持続時間
長く聴きたい時に限って電池が無くなり痛い目を見る人にとっては、連続稼動時間は長ければ長い方がいいが、チェックすべきポイントは電池の持続時間だけではない。
使い捨ての単四型電池なのか、充電式の電池なのか。
また充電式の電池は本体に内蔵されるタイプか、着脱可能なタイプか。
充電方法はUSBからなのか、AC電源なのか。
電池の持続時間は10時間~50時間のものまで、製品ごとに異なる。
また、その持続時間はどのファイル形式で再生したものなのかもチェックすべきだろう。
最大再生時間はMP3以外のフォーマットの再生時間を指している事があるからだ。

3.転送速度
MP3プレーヤーは曲の転送時にパソコンと接続する必要がある。
転送方法はUSBケーブルを用いたものがほとんどである。
USBの規格は1.1と2.0の2通りがあり、2.0の方が転送速度が速いが、実際には機器ごとに計測してみないと分からない。
だがUSB1.1の規格だとしても、5分の曲を転送するのに数秒で済むので、転送速度に関してはそこまで心配する必要はないだろう。

4.転送ソフトウェア
それより確認したいのは、曲の転送時に専用ソフトが必要かどうかである。
専用ソフトをパソコンにインストールしなければ曲の転送が一切出来ない(出来たとしても暗号化されていない為、プレーヤーで再生出来ない)プレーヤーとしては、SONYやAppleなどが発売する製品挙げられる。
SONYは「SonicStage」、Appleは「iTunes」と呼ばれる専用ソフトを使用しプレーヤーへの転送を行う。
もちろん曲の転送に専用ソフトウェアが要らない製品も存在し、主に海外メーカーが発売している製品が該当するが、それらはパソコン接続時にマイコンピュータ上でリムーバルメディアとして認識されるため、Windowsエクスプローラでコピー・貼り付けを行えば簡単かつ手軽に転送が可能である。
専用ソフトに関する記載がない製品は大抵エクスプローラーで転送可能だが、どうしても気になるようならカタログやメーカーHPなどで「USBストレージ機能」とか、「USBマスストレージ対応」という言葉を探してみるといいだろう。
また、「SonicStage」や「iTunes」に代表される専用ソフトの操作性はソフトそのものの完成度に左右されるが、使用に耐えない程ひどいという事はないので、こだわりがなければそれ程神経質になる必要はない。

5.操作性
保存する曲数が多くなると、操作性や使い勝手の良さが重要なポイントとなる。
操作性の把握については実際に実機に触れてみるのが一番いい方法だが、近所に量販店がなければメーカーのHPから取扱説明書をダウンロードして読んでみて、だいたいの感覚を掴んでおくといい。
曲の頭出しは何回ボタンを押せば完了するか、ディスプレイの広さ、片手だけで操作できるか、リモコンの有無などが操作性に影響する。
特にMP3プレーヤーの場合はCDとは異なり、多数の曲をフォルダごとに分ける「グループ」の概念が存在する。
目的の曲を選曲するまでの手順は製品ごとに異なるので、ぜひチェックしておきたい。

6.音質
音質は人によって感じ方が違う為、ある特定のメーカーを推奨する事は出来ないし、そもそも全ての製品の音質を比較する事は困難である。
従ってインターネットの口コミ情報などの評判を参考にし、ある程度の割り切りを持って購入に踏み切る必要があるだろう。
一般的にはどの製品も極端にひどい音質ではない筈だし、通勤時に聴く程度であれば概ね問題ないと思われるが、どうしても音にこだわりがあるのであれば、やはり実機のサウンドを確認してから購入した方がいい。
また、リスク回避手段として、音質を多様に変化させられるイコライザ機能などを持つ製品を選択するのも一つの方法である。
音質に関する機能が充実していれば、万一デフォルトの音が全くダメでもいくらかは自力で納得のいく音が作り出せるからだ。

7.その他
その他の機能として、音楽以外のファイルを保存し、パソコンのUSBメモリのようにデータの受け渡しに利用出来たり、ボイスレコーダー機能やFMラジオ機能を持つ製品もある。
これらは本来の目的とは外れた、あくまで「おまけ」の位置づけの機能だが、あればあったで重宝するかもしれないので、付加機能として考えておけばいいだろう。

8.価格
時間が経てば前よりも優れた製品が安価に販売されるのは仕方がない事であるから、買いたいと思った時に買うしかない。
ただ、オーディオプレーヤーは末永く使用するものなので、あまり値段をケチって後で後悔するよりは、きちんと納得のいく製品を選択した方がいいだろう。

9.デザイン
どうしてもiPodのデザインが好きだとか、小さくてアクセサリー感覚で身に付けられるかわいい製品がいいとか、この辺は個人の好みや生き方やライフスタイルに関わる部分なので、とやかく口を挟むつもりはない。
SONYブランドが好きならそれを買えばいいし、同様に、iPodが好きならそれを選択すればいい。
とにかく、身につけて恥ずかしいと思うような製品は選択せず、気に入った製品を購入して頂ければそれでいいと思います。

10.第3の選択肢
第3の選択肢として、MP3再生機能つきポータブルCDプレーヤーを購入してしまうという手段がある。
CDプレーヤーなので携帯性や読み出し速度においてはMP3プレーヤーに劣るものの、比較的稼働時間が長く、CD-RWメディアの再生に対応し、700MBのデータ容量を持つMP3プレーヤーが安価に手に入ると言っても過言ではない。
しかもディスクは交換出来るので、考えようによっては大容量のデータを持ち運ぶ事も可能である。
最近ではiPodやポータブルMDプレーヤーなどに押され市場から姿を消すかに思われたCDプレーヤーだが、MP3機能が搭載され、製品としても長年メーカーによって培われた技術が詰め込まれたCDプレーヤーを一つの選択肢として検討してみてはいかがだろうか。

最後に
一応ここまでMP3プレーヤーの購入に際しポイントになると思われる項目について挙げてみました。
MP3プレーヤーの購入をご検討されている方のご参考にして頂ければ幸いです。
しかし、ここで書かれてある内容に関しては、あくまで私が「こうなんじゃないかなあ」という予想のもとに書いているだけですので、思い込みや事実と異なる事も沢山あると考えます。
内容について、不備や誤りやお気づきの点などございましたら、ぜひComment欄にご指摘の程、よろしくお願いいたします。

参考にしたウェブサイト
AnonymousRiver Site

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The Original by Sun&Moon